第15話 酒井家の人々プラス1

そして、俺の実家に着いた。「ここ」「あっ、大きな家ね…」「まぁ…農家だから土地だけはあるしね…さあ、降りよう」「うん…」車を降りて母屋に向かうと、チロが俺を見つけて”ワンワンワン!”とシッポを振って出迎えてくれた。「チロ!ただいまぁ、俺の事忘れ…

第19話 タケさんと建

「りょう〜!葉菜ちゃ〜ん!起きたか〜い!」またもや、オカンの声で目が覚めた。「もう朝ごはんできてるよぉ〜」「うぉ〜い、今行くから」「慌てなくていいからねぇ」俺と葉菜は急いで身支度を整え、下に行った。「おっはよ〜!」「おじちゃん、はなちゃん…

第14話の 実家へ向かう

そして、年末の休みになった。出発の前日、葉菜は、宿泊用の荷物を詰めるのに必死。あれやこれやで大荷物になってくる。俺は実家に着替えもあるし、ほぼ手ぶら。「そんなにも、いるのか?」「女子の移動は大変よぉ…それに、あっちは寒いんでしょ?」「うん、…

第13話 幸福な日々

そして、俺達の幸福な日々が始まった。二人はすぐ、半同棲、いやほぼ同棲状態になった。月曜から金曜の仕事のある日は、会社に近い葉菜の部屋で暮らし、土日は俺の部屋に移動。が定番の生活になった。会社の連中には、すぐわかってしまった。何せ、朝の通勤…

第12話 高橋さん

[小料理屋にて父と母]その小料理屋「源」はまだ、あったが準備中の札が掛かっていた。二人は勝手口に回って、呼び鈴を鳴らした。中々、人が出て来ない「まだ、いないのかな?」「ちょっと待ってみましょ」「彩、体は大丈夫?」「うん、平気、大丈夫よ」暫…

第11話 ホームレスのパパとママ

朝になり、君の家へと送って行った。「上がってく?すっごく古いのよ…」まだ、離れ難い「うん」近くの駐車場に車を止めて、君のアパートに行った。確かに、外観からしても古さは解る。そんな事は気にならなかった。「お邪魔します」中に入ると台所と二間の和…

第10話 再び海へ

適当なファミレスに入って食事をした。ドリンクバーを頼み、お茶をしながら、また、いろんな話をしてた。俺としては、やはり告白したい気持ちなのと、君と居たい気持ちでいっぱいだった。「今頃、もう海は真っ暗ね…」「そうだね」「私ね。夜の海が怖いのよ…

第9話 海へ

約束の時間より、30分以上早く着きそう、(遅れるより、マシだな…)と思い、更に(君は来てくれるだろうか?いや、来ないなら連絡ぐらい来てるだろう…)またもや、ネガティブな気持ちに落ちいる。既にネガティブが癖になっているのか!(そうだ!携帯!待ち…

第18話 親友の哲也

俺達は、二階の部屋に入った。「うお!さぶっ」俺は、オカンが用意してくれたファンヒーターをつけた。「ああ、雨戸を閉めちゃったんだな、寒いから仕方ないか。ここは星空も綺麗なんだよ。また、別の日に見に行こう」「うん」葉菜は少し笑って返事をした。…

第8話 約束

「そろそろ、遅いけど大丈夫?家は近いの?」「私は5つ先の駅を降りて歩いて10分、15分くらいかな、そんなに遠くないわ。貴方はどこかしら?」「俺は都外だよ。」「ええっ?じゃあ遠いわね。ごめんなさい」「俺は男だし大丈夫だよ」「大学がそっちのほうだ…

第7話 居酒屋にて

ビールが来た。俺はそれを一気に飲むと、やっと落ち着いた。そして、俺の目の前で女神もビールをコクコクと飲む。其の姿もまた、神々しいすでに、俺は君の下僕だ。何をしても可愛いとしか見えないだろう。「おいし」とにっこり笑った。その笑顔にさらにドキ…

第6話 予期せぬ出来事

ぼんやりとしながら(もう…帰ろう…)と思った時、突然誰かが肩をたたく「ごめんなさい。待ったかしら?」ビクっとして顔をあげるとそこには君がいた。(???)状況が飲み込めない(なんだ!幻か?俺もう、いっちゃってんのかな?)そう思って、あ然として…

第5話 恋心

いつからか?初めて会った時からか?とにかく、俺はいつの間にか彼女を意識していた。しかし、その気持ちに気づかないフリをしていた自分でもわからない…ただ、こうなってしまったら、自分の気持ちを誤魔化す事はもう出来なかった。俺は君が…近藤 葉菜という…

第4話 長い休み明けの出来事

それは、ゴールデンウィークの長い休みが明けた仕事始めの朝だった。いつも遅めに出勤のOさんが早く来ていた。(珍しい…)そう思いつつ席に着く。するとOさんの声が聞こえてきた。「内緒なんだけどさ〜あの二人別れたらしいわよ」「聞いた聞いた。山下さんと…

第3話 会社の同僚

この会社に入って一年くらいになる。デスクは4台固まって配置されていた。前の席は佐竹と言う男。何とか言う地下アイドルの熱狂的ファンで、イベントやオフ会があると。「僕が行かないと、オフ会始まらないし〜、イベ欠席すると??ちゃんが悲しむんだ」とか…

第2話 前職での挫折

大学は勉強をしながらアルバイト、サークルや飲み会など楽しく謳歌し、彼女もいた。そして、就活の年を向かえ、鬼のように希望を出して面接に走り回った。結果、結構な大手の会社に就職が決まった配属は「営業課」となった俺はパソコンが得意で資格も持って…

第1話 憂鬱な月曜日

月曜日の朝は憂鬱だ。三月初旬、まだ寒い。無彩色の厚手のスーツ、コートに身を包み、無言で同じ駅へと向かう人達がまるで葬列のように見える。俺、酒井 涼平実家のド田舎から、東京の大学へと進学し、そのまま、東京で就職。最初の会社で失敗し、今は二社目…

あらすじ

主人公 酒井 涼平を中心に、恋愛、家族、友人、を、通して、生きる事の大切さ、死の悲しみなどでストーリーを進めていきます。 この話は、カクヨムにても閲覧できます。 https://kakuyomu.jp/works/1177354054892427739